輸血のQ&A > Q3
   
Q3. 不適切な温度で保管された血液製剤は使用可能か?

血液センターとしては品質保証できない。
各製剤が温度によって受ける影響は下記の通りである。

  • <赤血球製剤>
    WBにおいて赤血球の品質の指標とされる項目について下記のデータを示した文献がある。
    上清K値 37℃ 24時間保存 = 5℃ 1週間保存
    ATP値 37℃ 8時間保存 = 5℃ 5日間保存
    37℃ 24時間保存 = 5℃ 2週間保存
    2.3-DPG値 21℃ 5時間保存 = 5℃ 4日間保存
    21℃ 24時間保存 = 5℃ 2週間保存

  • <FFP>
    適切な温度で保存しても1年後には第[因子活性は約70%まで低下することから、 家庭用冷凍庫等で−20℃より高い温度で保存された場合にはより早い失活が予想される。
  • <PC>
    冷蔵保存: 室温保存と比較してpHの変化は少なく、保存状態は比較的良好だが 生体内での凝集能・粘着能が低下する他、輸血後の回収率、生体内寿命も良くないため、長期効果は望めない。
    静  置: 振とう保存することで血漿のpH緩衝作用を助長し、血小板周囲のpH低下が抑えられ、良好に血小板機能が保たれる。 静置保存でも6時間程度までなら機能は低下しないが、その間30分置きに手で少し振とうすればpH低下の防止に効果的である。
    ☆参照資料:輸血情報「4」(PDF369KB)
  • <クロスエイトM>
    凍  結: クロスエイトMは含湿度3%以下の製剤であり、タンパクの凍結乾燥品を凍結保存することは一般的に行われていることから 問題ないと考えられるが、凍結、融解を繰り返した場合はタンパクへの影響が大きいので、変性の可能性を否定できない。 また、溶解液の方は凍結によりバイアルが割れることがあるので要注意(割れていた場合は「日局」注射用水10mLにより溶解可能)。 貯法「凍結を避けて10℃以下で保存すること」により、海外持ち出しの際には保冷剤と共にクーラーバッグに入れて持ち運ばなければならない。 この際保冷剤が製剤の箱に直接接触していると溶解液が凍結して破損してしまうことがあるので要注意。
    高  温: 40℃、湿度75%で6ヶ月間品質の変化を認めなかった。

    凍結乾燥状態のクロスエイトMについて
    保存条件 保存期間 試験結果
    11±1℃ 30ヶ月 変化を認めず
    25±1℃、湿度75±5% 6ヶ月 変化を認めず
    40±1℃、湿度75±5% 6ヶ月 変化を認めず
    11±1℃、照度1000ルクス 6ヶ月 変化を認めず